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天野 光; 小嵐 淳*; 駒 知孝*; 安藤 麻里子; 飯田 孝夫*
JAERI-Conf 2003-010, p.221 - 225, 2003/09
大気中に放出されるH-3とC-14に関して、フラックスと沈着速度を解析する新しい方法を開発した。最初に、大気中に放出されるH-3とC-14の存在形態を弁別できるシステムを開発した。このシステムは、トリチウムについて水蒸気状(HTO),ガス状(HT),メタン形(CHT)を、C-14について二酸化炭素状(CO)とメタン状(CH)を同時に弁別できる。次に、通気法チェンバーを用いたフラックスと沈着速度を測定できる手法を開発した。これらの方法を実際に適用しHTとCOにつきフラックスと沈着速度を求めその有用性を確認した。
天野 光; 小沼 義一*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.217 - 222, 2003/01
被引用回数:8 パーセンタイル:49.89(Chemistry, Analytical)チェルノブイル事故炉周辺30km圏で採取した土壌につき、Cs-127,Sr-90、及びPu同位体の土壌中深度分布と存在形態を調べた。存在形態は、化学的分画法である選択的抽出法によった。調べた土壌は、砂質土,ピート土、及びポドゾル土である。ポドゾル土については、汚染が燃料の微細粒子であるホットパーティクルによるものと、Cs-137についていわゆる凝縮成分と呼ばれているものとについても調べた。事故後10年以上経過しているが、汚染の初期形態の如何にかかわらず調査した放射性核種の大部分は依然として表層に留まっている。一方、少量であるが下方浸透する成分も存在している。核種ごとの特徴として、ホットパーティクルから溶け出した後、各核種は主にイオン交換的に下方浸透し、土壌マトリックスと反応する。Cs-137はピート土のような有機性土壌では浸透が大きく、一方Pu同位体は腐植物質のような有機物と結合性を有する、などがわかった。
柿内 秀樹; 天野 光; 一政 満子*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 252(2), p.437 - 439, 2002/05
被引用回数:6 パーセンタイル:39.54(Chemistry, Analytical)微生物による核種の吸脱着及び取り込みが起こるのか評価するため、Cs,Sr,Baと表層土壌から採取した微生物との相互作用を調べる実験を行った。(1)pH4,6,8の条件のもと5%PTYG BrothにおいてSr,Cs,Baイオン10ppm共存下3010日間培養を行ったところ、Sr,Csではほとんど微生物菌体への濃集は確認されなかった。Baは微生物菌体への濃集が確認され、培養開始のpHが低いほどその割合が顕著であった。(2)1%PTYG Broth(pH4)を用いてSr,Cs,Baイオン10ppm共存下30,5日間培養を行ったところ、Srは約75%,Csは約50%,Baは約40%が微生物上へ濃集されていた。この濃集成分について選択的抽出法を用いて存在形態を評価したところ、それぞれ種々の存在形態を示した。
天野 光
保健物理, 36(4), p.314 - 321, 2001/12
原研は汚染環境下における放射線影響の評価・解析のため、チェルノブイリ国際研究センター(当時)と研究協力を締結し、「環境放射線影響に関する評価・解析及び評価システムの検証に関する研究」を行ったが、本報告では1995年の協定改訂後の研究テーマの一つ「チェルノブイリ事故炉周辺環境における長半減期放射性核種の動態に関する研究」について成果を中心に概要を報告する。事故炉周辺30km圏は、原子炉の爆発により、核種のホットパーティクル(核燃料起因微細粒子)としての存在割合が高く、超ウラン元素やCs-137,Sr-90等が高濃度に存在している。研究項目は(1)地表における放射性核種の分布特徴把握,物理的,化学的存在形態,及び移行挙動,(2)地表から河川等水系への放射性核種の移行,(3)水系における放射性核種の物理的,化学的存在形態,(4)放射性核種の移行に関し野菜への取込みの特徴,(5)放射性核種の移行に関する再浮遊,大気中濃度の特徴、である。核種の移動性という観点では、大部分の核種は依然として地表に留まっているが、溶出し地下や河川に浸透する成分,懸濁態として河川に流出する成分等が存在している。
天野 光; 高橋 和之*; 内田 滋夫*; 都築 克紀; 松岡 俊吾*; 池田 浩*; 松原 武史*; 黒澤 直弘*
KURRI-KR-80, p.48 - 49, 2001/12
陸域に負荷される放射性物質や重金属等の挙動を解析・予測する目的で開発したMOGRAにつき解説する。MOGRAはさまざまな評価対象系に対応し得る汎用コードであり、動的コンパートメントモデル解析部を中核とし、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)による入出力部やライブラリデータ等から構成されている。評価を行う際には、評価対象となる陸域生態圏を土地利用形態(例えば森林,畑,水田等)等によって分割(モジュール化)し、各モジュールで任意にコンパートメントモデルを設定する。モジュール間の物質の移行に関しても任意に設定できる。例えば畑モジュールの構造を大気から葉菜,土壌各層,地下水といった上下2次元構造とし、さらに隣のモジュールと接続することで擬似3次構造とし、3次元空間での物質移行を評価できる。負荷物質の存在形態ごとの移行評価も可能である。各移行経路の移行係数は、フォートランの自由な数式の記述により設定できる。現在、森林,畑,河川モジュール等のデフォルトを整備し公開準備中である。発表では、MOGRAの解析機能やユーザーインターフェイスの検証と充実化を目的とし設定した。大気-土壌-植物系におけるSr-90の移行を対象とした動的モデルを適用例として示す。MOGRAはGUIを整備した汎用動的コンパートメントモデルであるため、システムダイナミックスの解析にも容易に使える。
天野 光; 上野 隆; Arkhipov, N.*; Paskevich, S.*; 小沼 義一*
Proceedings of 10th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-10) (CD-ROM), 6 Pages, 2000/00
チェルノブイル原子炉事故で汚染したピート土壌及び砂質土壌で栽培した、こまつな、人参等の野菜への放射性Cs,Sr,及び超ウラン元素移行挙動につき調べた。放射性Cs,Srについての移行係数は、これまでの報告値の範囲内であったが、プルトニウムについては、これまでの報告値を超えていた。その原因として、燃料の微細粒子から溶出し、植物に移行する成分の存在が考えられる。また、プルトニウムについて移行係数の土壌濃度依存性があり、土壌の存在形態が土壌濃度により異なることがその原因と考えられる。
松永 武
JAERI-Conf 99-001, p.258 - 269, 1999/03
河川における核種の移動担体、移動を促す自然条件、核種の移行フラックスを明らかにすることを目的に研究を行った。核実験起因のCsと自然起因のPb,Beについて、茨城県の久慈川流域で研究を行った。その結果、河川水中に浮遊する土壌粒子などの懸濁物がこれらの核種の移動担体として重要であることが明らかになった。一方、宍道湖-中海に注ぐ斐伊川流域(島根県)において、湖底堆積物中のCsの堆積物を解析すると、この流域では土壌蓄積量の0.07-0.3%が年間に流出することが推定された。他の同種の研究結果を参考にすると、流出割合は主要担体である河川水懸濁物の多寡に関係すると考えられる。チェルノブイル事故起因の放射性核種の移行挙動を、事故後10余年後の事故地域近傍の河川水中において研究した結果においても、Cs,Pu,Amについては、懸濁物が移動担体として重要であることが見出された。今後、実験室系で確立された基礎的な反応理論、あるいはモデルによるアプローチを、野外観測系においてどう適用するが、重要な課題と考えられる。
長尾 誠也; 松永 武; 村岡 進
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(3), p.555 - 559, 1999/00
被引用回数:7 パーセンタイル:49.7(Chemistry, Analytical)湖底堆積物における人工放射性核種の挙動を明らかにするため、環境の異なる2つの湖(青森県十和田湖(貧栄養湖)及び長野県木崎湖(中栄養湖))において湖底堆積物を採取し、Cs-137及びPu-239,240の放射能濃度鉛直分布を測定するとともに、各層における存在状態を選択的抽出法により調べた。その結果、Cs-137及びPu-239,240はおもに有機物フラクションとアルシノケイ酸塩フラクションに存在していたが、異なる鉛直分布を示した。十和田湖底堆積物では堆積物表層から6cmまでに有機物フラクションの存在割合がCs-137では38%から18%へ、Pu-239,240では54%から5%と減少した。一方、木崎湖堆積物では、Cs-137が30%、Pu-239,240では40~60%と堆積物の深さ2~14cm間で顕著な減少は認められなかった。これは、堆積物の有機物含有量の違いが人工放射性核種の存在形態の変化に関与していることを示唆している。
天野 光; 松永 武; 長尾 誠也; 半澤 有希子*; 渡辺 美紀*; 上野 隆; 小沼 義一*
Organic Geochemistry, 30, p.437 - 442, 1999/00
被引用回数:28 パーセンタイル:52.71(Geochemistry & Geophysics)地表に沈着した放射性核種が広域に拡散する機構のうち主要なものは、河川による流出である。本研究は、高度に汚染されたチェルノブイル原子力発電所周辺30km圏内での表面土壌から流域河川への放射性核種の流出について、表面土壌からの溶存態成分の流出について解析したものである。はじめに表面土壌の汚染の特徴、存在形態解析を行い、次いで、表面土壌から水で抽出される成分について、蛍光分析、分子量1万での限外ろ過分析を行った。その結果、超ウラン元素の溶存態成分の大部分は分子量1万以上の成分に在存していることがわかった。この成分は、蛍光分析からフルボ酸の成分であろうことが判明した。Cs-137やSr-90は分子量1万以下が主要成分であった。
天野 光; 半澤 有希子; 渡辺 美紀*; 松永 武; 上野 隆; 長尾 誠也; 柳瀬 信之; 小沼 義一*
Proceedings of OECD/NEA Workshop on Evaluation of Speciation Technology, p.211 - 218, 1999/00
放射性核種の環境中挙動は、その存在形態に依存する。本報告は、Cs-137,Sr-90,超ウラン元素等の環境中における存在形態と移行挙動との関係に焦点をあてチェルノブイル事故炉の周辺30km圏内において原研が行ってきた研究のうち、土壌を中心とした地表面における挙動に関して、実環境における存在形態の実験的な解析手法の評価も加えてとりまとめたものである。
天野 光; 松永 武; 上野 隆; 柳瀬 信之; 長尾 誠也
Proceedings of the 2nd ISTC/SAC Seminar "Large Scale Area Remediation", p.2_75 - 2_81, 1999/00
チェルノブイル30km圏内における長半減期放射性核種の分布と移行挙動の特徴につき、長半減期放射性核種の存在形態に着目し原研がこれまで現地で行ってきた調査結果に基づき、解説した。
松永 武; 上野 隆; 天野 光; Y.Tkatchenko*; A.Kovalyov*; 渡辺 美紀*; 小沼 義一*
Journal of Contaminant Hydrology, 35, p.101 - 113, 1998/00
被引用回数:44 パーセンタイル:74.63(Environmental Sciences)陸土の放射性核種汚染が近傍水系に対してどのような汚染をもたらすか見いだすことを目的に、チェルノブイル事故により放出された放射性核種に関して、事故炉から6-40kmの河川水中において、その「溶存態」並びに水中浮遊物質に含まれた「懸濁態」の放射化学分析、環境条件解析を行った。このような特性は、(1)河川流路による核種の遠方移動、(2)それらの核種の最終的な挙動、(3)生物への利用度に関して重要な事柄である。その結果、Sr-90については陸土汚染からの溶出、Cs-137, Pu・Am同位体については汚染土壌粒子の流出により水系汚染がもたらされていることが示唆された。また、水中のSr-90の高い溶解性、Pu・Am同位体及びCs-137の懸濁物質との強い親和性が見いだされた。さらに河川水中での溶存態核種の存在比率の検討から、核種の溶解性に与える共存イオンの効果、並びに溶存有機物とTRU核種との反応性の検討を行った。
天野 光; 松永 武; 上野 隆; 長尾 誠也; 渡辺 美紀*; 半澤 有希子*; 小沼 義一*
KURRI-KR-18, p.201 - 212, 1997/00
原研では、汚染環境下における放射線影響の評価・解析のため、チェルノブイル国際研究科学技術センターと研究協定を締結し、総合テーマ名「環境放射線影響に関する評価・解析及び評価システムの検証に関する研究」として研究を行っている。本報告はチェルノブイル事故炉周辺環境におけるCs-137,Sr-90及びPu同位体やAm等の超ウラン元素等の長半減期放射性核種に関して、土壌中深さ分布及び存在形態の特徴、河川へ表層土壌から溶出する成分の特徴等につき得られた結果を報告する。本研究の目的は原子力事故後に地表面環境に放出され蓄積する放射性核種について、長期にわたる移行挙動実態の把握、河川等を経由しての移行の実態を明らかにすることである。放射性核種の大部分は依然として土壌表層数cmに留まっているが、浸透しつつある成分も存在している。存在形態について化学的分画手法を用いて結果では、Sr-90は主に移動性成分として存在し、超ウラン元素は腐植物質との結合成分が存在し、Cs-137は不溶性成分が多いことがわかった。河川への流出に関し表層土壌から溶出している成分は、超ウラン元素は分子量1万以上の成分に多く存在する。
天野 光; 渡辺 美紀*; 小沼 義一*; 上野 隆; 松永 武; N.D.Kuchma*
The Role of Humic Substances in the Ecosystems and in Environmental Protection, 0, p.709 - 716, 1997/00
表層土壌天然有機物質中におけるCs、Sr及び超ウラン元素の存在形態を、化学的分画手法を用いて、チェルノブイル周辺の草原及び森林土壌について調べた。チェルノブイル周辺環境では放射性核種は、表層土壌天然有機物中に多く存在している。草原土壌ではPuはフルボ酸よりフミン酸画分に多くみられたが、Amはフルボ酸とフミン酸画分では同程度であった。SrやCsはこれらの画分にはほとんど存在していない。森林土壌では表層有機物の腐植の進んだ順に、AoL、AoF、AoH層についてPu、Am、及びCsについて調べた。その結果核種の存在割合は層によって変化し、腐植が進むにつれPuでは主に非晶質鉄酸化物画分と結合型フルボ酸画分に、Amでは粘土鉱物画分と結合型フルボ酸画分に多く存在する。Csは腐植が進むにつれヒューミンの画分が減少し、粘土鉱物画分が増加することが分かった。またCsではホットパーティクルの画分も依然多く存在していることも判明した。核種の移動性との関連についても論ずる。
not registered
PNC TJ1600 96-004, 78 Pages, 1996/03
表層土壌圏における核種動態等をより正確に理解するために、まず土壌を構成する粘土鉱物の構造を理解し、土壌圏における核種動態の媒体である水の熱力学的性質を明らかにした。土壌鉱物としてナトリウムモンモリロナイトを対象とし、この中での水の相対部分モルギブス自由エネルギー、エンタルピーおよびエントロピーを含水率の関数として決定し、X線回折の結果と合わせて、土壌中の水の存在形態を決定した。土壌中の水の存在形態は土壌の含水率に依存して変化した。モンモリロナイトにおいては、層間の1層の水和は0ないし16重量%の含水率の範囲で起こり、2層の水和は16ないし27重量%の範囲で、また3層の水和は27重量%以上の含水率で起こった。間隙水は第3の領域にのみ共存した。次に、表層土壌圏に普遍的に存在する天然有機物のフミン酸がストロンチウムの分配に与える影響を検討した。Srのフミン酸錯体がSrHAとSr(HA)2であることを実験によって特定し、それらの安定度定数と熱力学関数を決定し、その結果を基に錯形成の機構を考察した。また、カオリナイトに対するストロンチウムの分配に対するフミン酸の影響を検討した。カオリナイトに対するストロンチウムの分配に対してフミン酸の影響は40ppm以上のフミン酸濃度で見出され、40ppm以上ではフミン酸濃度が高くなるほどSrの分配係数が低下した。また、この影響はpHが高くなるほど顕著であった。最後に、土壌圏における放射性核種の移行挙動の評価のための基礎研究の一環として、圧密ナトリウムモンモリロナイト中のナトリウム、セシウムおよびストロンチウムの見かけの拡散係数とその活性化エネルギーを決定した。
天野 光; 松永 武; 上野 隆; 小沼 義一*; 渡辺 美紀*; 柳瀬 信之; 長尾 誠也; Sukhoruchkin, A. K.*
Proceedings of 5th International Scientific and Technical Conference on the Problems of Liquidation of Chernobyl Accident Consequences, P. 74, 1996/00
チェルノブイル事故炉周辺30km圏内の地表面環境における放射性核種の2次的移行に関するRIAPとJAERIとの5年間の共同研究が1995年4月より開始した。本研究は超ウラン元素を含めた長半減期放射性核種の地表面環境における存在状態とそれらの移動性の解析に焦点をあてる。特に地表腐植物質や土壌中に含まれる放射性核種の化学的存在形態とそれれの移動性、河川による流出や再浮遊による移行の特徴、それらの定量的把握を目的とするものである。これまでの選択的抽出法を用いた測定及び解析から、地表有機物と土壌について、フミン酸やフルボ酸の成分にはPuやAmが存在すること、Sr-90の主要部分はイオン交換成分として存在すること、AmはPuより溶出されやすいこと、等が分かった。また、河川水中溶存放射性核種の大部分はSr-90で、Cs-137については懸濁態での流出が支配的であった。